理事長ご挨拶
日本臨床医学リスクマネジメント学会について
理事長 三宅康史
一般社団法人日本臨床医学リスクマネジメント学会は、医療安全関連の学会として2002年に設立され、2016年、三木保会長(東京医科大学 医療の質・安全管理学 主任教授)、2017年、坂本哲也会長(帝京大学医学部附属病院長)、そして2018年、第16回学術総会を上條由美会長(昭和大学江東豊洲病院副院長)の下で、開催してまいりました。また、設立当初より、機関誌「安全医学」を刊行し、毎年夏に医療安全管理者養成講座(医療安全セミナー:2018年は東京で8月に計6日間)を開催しております。
医療安全は、日常業務の中で変化する多様な状況に応じて、問題の早期把握とその回避のための情報共有と、相互信頼に基づいた多職種連携、それに基づく医療者の的確な業務遂行の上に成り立っています。安全に必要な各領域の知識は膨大で、連携や対応に必要なスキルは日進月歩です。2015年10月より、改正医療法に則った新しい事故調査制度(新事故調)が発足いたしました。その基本理念は、「過失追及」を避け「学習のための調査」です。当学会は、これらの新しい状況に配慮し、中堅・若手の学会員の総力を挙げて、医療安全の向上に必携・必読の「医療安全管理実務者標準テキスト」(当学会監修、へるす出版)を2016年9月に刊行いたしました。
当学会は、これまでも国の医療安全や事故調を推進してきた有力メンバー達が支えてきました。そして来る2019年5月25、26日には「地域包括ケアのsafety management:日々と備えと」をテーマに、松月みどり会長(日本赤十字社和歌山医療センター)の下で第17回学術総会を開催いたします。中堅・若手を中心に、学術集会、そして医療安全セミナーの開催に関与し、課題別研修会の開催やシンポジウムへの参加を通して、より現場に密着した医療安全の推進を図っています。
当学会が、医療安全を担う多職種連携のためのフォーラムとしての機能を果たし、最新の知識や技能を習得し、医療安全に関係するすべてのスタッフの実践力を養うために、医療安全に関心を寄せる多くの皆さまの参加、協力をお願いいたします。