日本臨床医学リスクマネジメント学会の来し方、行く末
日本臨床医学リスクマネジメント学会(一般社団法人)は、医療安全関連の学会として2002年に設立され、2016年春、三木保会長(東京医大医療安全管理部)の下、第14回目の年次総会を盛会裏に開催しました。また、設立当初より、機関誌「医療安全」を刊行し、医療安全管理者養成講座を開催してきました。
医療安全は、日常、変化する多様な状況に応じて相互信頼に基づく多職種連携による調整と問題回避を交えた多くの医療者の業務の遂行の上になりたちます。安全に必要な各領域の知識は多く、連携に必要な方法は日進月歩です。2015年10月より、改正医療法に則った、新しい事故調査制度(新事故調)が発足しました。その基本理念は、「学習のための調査」(「過失追及」を避ける)です。当学会は、これらの状況に配慮し、中堅・若手の総力を挙げて, 医療安全の向上に必携・必読の「医療完全管理実務者標準テキスト」を2016年9月に刊行しました。
当学会は、これまで国の医療安全や事故調を推進してきた有力メンバー達が支えてきました。。2017年春、さらなる多職種連携を目指して、坂本哲也会長(帝京大学病院長)の下、日本臨床救急医学会と合同で学術総会を開催いたします。これを機に、中堅・若手を中心に、課題別研修会の開催やシンポジウムの開催等を通じて, より現場に密着した医療安全を推進しようとしています。
当学会が、医療安全を担う多職種連携のフォーラムとなるように、医療安全に関心を持つ皆さまの参加をお待ちしています。